860MHz帯のPLL制御ローカル発振器の基準発振器について考えます。

PLL発振器の基準信号となる部分で、ここの周波数精度が発振器全体の周波数精度になります。
通常REF ClockにはTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator:温度補償型水晶発振器)が使用されます。最近のTCXOは周波数精度が向上しており、±1ppmというのが普通に手に入るようです。
1ppmというのは1x10-6の意味で、10MHzの発振器で±1ppmの精度とすると、±10Hzの誤差が発生するということになります。これを基準発振器として860MHzのPLL発振器を構成しますと、860MHzにおける周波数精度は、860x106x1x10-6=860(Hz)となります。
この精度は初期周波数設定精度が良くても時間によるドリフトと、環境温度変化のドリフトが含まれます。1200MHzのトランスバーターの局発として考えた場合、親機となる430MHz帯の無線機の周波数誤差が無いとしても1200MHz帯で860Hzの周波数誤差、ドリフトが発生する可能性があるということです。
そこで今回は基準信号に10.000MHzのOCXOを利用することにしました。

OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator:恒温槽付水晶発振器)とは、水晶振動子を内蔵の恒温槽(オーブン)で常に一定温度に保つことで、周囲温度変化の影響を極限まで抑え、非常に高い周波数安定性を実現する高精度な発振器です。
ここで使用するOCXOは中華サイトで売られている機器からの取外し品で、CTIのOSC5A2B02という部品です。
この部品のスペックの一部を紹介します。
●発振周波数 : 10.000MHz
●周波数変動 : ≦±0.5ppb/day 電源投入30日後 @25℃
1ppbというのは1x10-9の意味で、10MHzの発振器で±1ppbの精度とすると、±0.01Hzの誤差が発生するということになります。周波数変動が±0.5ppbとしますと、これを基準発振器として860MHzのPLL発振器を構成しますと、860MHzにおける周波数精度は、860x106x0.5x10-9=0.43(Hz)となります。
TCXOと比べると格段の差があることが分かると思います。
このOCXOを基準信号としたPLL基板を試作してみました。

PLL発振部だけだとコンパクトにまとまっています。
OCXOの発振周波数をGPS信号を利用して10.000MHzに正確に校正し、PLL発振周波数を観測してみました。

発振周波数は860MHzピッタリです(≦±1Hzの誤差)。
周波数カウンターは基準信号発振器がOCXOで、こちらもGPS信号で校正しています。

コメント