430MHz帯を1200MHz帯に変換するための局部発振部の構成を考えました。
水晶発振器逓倍によるスプリアス除去問題や周波数ドリフトを考え、PLL制御方式による直接発振方式としました。

■ PLL IC
メインのPLL ICにはアナログデバイゼス社のADF4118を選択しました。このICは3GHzまで直接扱うことができ、3線式(DATA、CLK、LE)シリアルインターフェースで制御できます。
このPLL ICの入手には気を付けてほしい点が二つあります。


上の写真はAliexpressで購入した偽物です。いくらいじくりまわしてもうんともすんとも言わないデバイスです。安いからと言って騙されないようにしてください。
下の写真はその後アメリカの部品通販サイトから入手した本物です。なんの問題もなく動作しました。
もう一つは入手性の問題です。このデバイスは米国政府によって管理された輸出規制対象製品となっています。いつも部品の通信販売に使用しているMOUSERでは注文したところ、「サプライヤー販売規制により、キャンセルとさせていただきました」との連絡がきて購入できませんでした。結局入手できたデバイスも米国政府の規制を受けデバイスのみならず組み込んだ機器の再販、譲渡に制限がかかっています。
■ REF CLK
PLL制御の発振器にとって、リファレンスクロックの精度は非常に重要な項目になります。通常TCXOという温度変化に対して周波数変動が少なくなるように発振回路の部品(主にコンデンサ)の温度係数を選び、制御していますがその精度は±3ppmとかの値となります。リファレンスクロックが±3ppmの精度だと、860MHzのローカル信号が、
860,000,000x3x10E(-6)=2580 Hz
と2.6kHz近くの誤差となり、無視できる値ではありません。今回は発振器自体が温度制御されているOCXOをリファレンスクロックとして採用します。
■ Loop Filter
ループフィルタは、位相比較器からのエラー信号を平滑化し、VCOの発振周波数を制御します。また近接の側帯波ノイズを除去し、制御信号として適切な形状に整え、スムーズな電圧を生成する役割があります。
■ VCO
ローカル信号を直接発振する電圧制御発振器で、その発振周波数はPLL ICからの誤差信号で制御されます。今回必要な発振周波数は830-860MHzなのでそれに対応できるVCOを中華製から選びました。
■ Spurious Rejection
VCOの二倍高調波は帯域内スプリアスになりえると前回説明しましたが、この高調波を抑圧する手段が必要になります。
■ Power Divider
ローカル信号を送信用ならびに受信用のミキサーに分配するためのパワーディバイダです。
■ CPU
ローカル発振器(PLL IC)並びにシステム全体を制御するために用いるCPUです。今回はPIC、PIC16F88を使用して制御します。


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