検討中の1200MHzトランスバータにいくつかの高周波スイッチを使う予定になっています。計画中のトランスバータの構成は下図のようになっています。

親機は430MHzのオールモード10W機(IC-375を想定)として、アンテナは430/1200MHzのマルチバンドGPと1200MHzの八木アンテナを切り替えて使用する。運用できるバンドを430MHzと1200MHzとするために、GPはダイプレクサを使用して両バンド対応とさせる。
トランスバータ(ODU:Outdoor Unit)はアンテナ直下に設置し、ODUまでは430MHzの信号でI/Fし、使用する同軸ケーブルの損失を気にしなくて良い構成にする。想定している同軸ケーブルは5D-FBを10m長程度で考えており、損失は430MHzで1.31dBとなっています。ちなみに1200MHzでI/Fしないですが、その損失は2.4dB at 1300MHzとなっています。(参考ページ)
430MHzでの1.31dB損失とは、10W出力がアンテナに供給される電力が7.4Wに減衰することになりますが、1200MHzでの運用をメインに考えていますのでこの損失はあまり気になりません。ちなみに同じケーブルを1300MHzのI/Fに使用した場合、10W出力が5.8Wに低下してしまうことになります。アンテナ直下に送信アンプ/受信用LNAが構成されたトランスバータを設置するとこのI/Fケーブルの損失はほぼ無視することができ、極端な話3D-2VでのI/Fも可能になります。(1200MHzの運用のみの場合)
このODUを構成するにあたり、SW1~SW4の4つの高周波SWが必要になります。それぞれのSWに要求される特性について考えてみます。
SW1:430/1200MHzの運用周波数を切り替えるSW。親機からの最大10Wを電力を扱える能力。取り扱う周波数は430MHz帯で、この周波数での低損失が望まれる。
SW2:1200MHz用トランスバータの送受切り替え用SW。取り扱う周波数は430MHzで最大10Wを電力を扱える能力。損失はさほど問題にならない。
SW3:1200MHz用トランスバータの送受切り替え用SW。取り扱う周波数は1200MHzで最大10Wを電力を扱える能力。損失が送信電力と受信性能(NF)に直接影響を与える。
SW4:1200MHzで運用するアンテナを切り替えるSW。SW3と同様に取り扱う周波数は1200MHzで最大10Wを電力を扱える能力。損失が送信電力と受信性能(NF)に直接影響を与える。
これらのSWに使える高周波SWについて検討してみる。
■ノーマルリレー
手持ちの通常のリレーの特性を評価してみた。評価基板を作るのが面倒なのでSMAケーブルを直接接続した。

通過損失(S21)とアイソレーション特性(com-NO端子)を評価してみた。


430MHzでの挿入損失が2dB弱、1200MHzにおいては8dB程度と損失が非常に大きいレベル。50MHzでは使えそうですが、144MHzでは限界かなというレベルです。430MHz帯以上で使用するには高周波リレーというものが必要ですね。
■高周波リレー - UM1-12W-K -
高見沢製の高周波リレーです。2009年にディスコンになっているリレーですが現在通信販売で入手可能です。75Ω系で設計された高周波リレーです。

50Ω系での性能を評価するため、基板を作成しました。


挿入損失とアイソレーション特性を測定してみました。


挿入損失は430MHzでほとんど無く、1200MHzで1.7dBほどになっています。1200MHzで損失が気になる部分には使用できませんね。高周波リレーというだけあってポート間の分離構造がしっかりしているようで、430MHzで75dB、1200MHzで55dBのアイソレーション特性が得られています。
今回考えているODUのSW1とSW2には使用できそうです。

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