2021年9月25日

DDS(Direct Digital Synthesizer)ユニットにLPFを設置

先日工作したDDSに、アンチエイリアシングフィルタを追加挿入しました。
DDS基板には元からカットオフ10MHzの7次LPFが挿入されていました。また、その特性インピーダンスが200Ωとなっていましたので、DDSの出力インピーダンスを50Ωとして、特性インピーダンス50ΩのLPFに組み替えることにしました。

■LPF仕様
カットオフ周波数 : 60MHz
特性インピーダンス : 50Ω
フィルタ形式 : 5次チェビシェフ、 リップル0.5dB

60MHz_chev_cir.jpg
青色の素子値は設計値です。
これをE12系列で入手可能な素子値にしたのが赤色のものです。
Filter_chara.jpg
青色のグラフが元の設計値特性(計算値)です。
赤の特性は素子値を変更したものの特性で、素子値をそれぞれ5%程度大きくしたため、特性そのものに大きな変化がなく、カット負周波数が5%程度低くなった感じです。

コンデンサは手持ちのセラミックコンデンサがあったのですが、インダクタは市販のものを購入すると時間がかかるので、空芯コイルを手巻きで作りました。
手巻きコイルの製作(測定)方法は、前回のブログを参照してください。

5th_Chev.jpg

Nyquist.JPG
これはアンチエイリアシングフィルタがない、50MHz出力時のスペクトラムです。

50MHz_sprious500.jpg
これがフィルタを挿入時のスペクトラムです。だいぶおとなしくなってくれました。

10MHz、50MHz出力時の広帯域スプリアス(~2GHz)の様子です。

10MHz_sprious2000.jpg
50MHz_sprious2000.jpg
フィルタの特性を簡単に実測できないので、バラック実験で途中になっているトラッキングジェネレータを早くくみ上げようかと考えています。

2021年9月22日

空芯コイル製作のための、リアクタンス測定

フィルタの製作を考えており、コンデンサはそれなりの容量値のものが手元にあるのですが、コイルのストックはあまり無く、通販でも満足に入手できません。
そこで昔ながらの『手巻きコイル』を作ろうと思うのですが、インダクタンス値を測れる測定器がありません。手持ちの機器を使ってリアクタンスを測る方法を考えてみました。

R-L(R-C)直列回路に交流信号(Rs)を接続し、各部の波形(振幅、位相)を2chオシロスコープで観測することでリアクタンス値を求める方法です。
180nH.jpg
回路に流れる電流は一定である。また抵抗値は既知であるとする。
Vr振幅とVx振幅は抵抗値、リアクタンス値に比例するため、Vr振幅とVx振幅を測定することによってリアクタンス値を求めることができます。
ただし通常のプローブはシングルエンド測定用なので、抵抗の両端をプロービングすることに戸惑いがありました。

共通のグランドで測定できるVsとVxからリアクタンス値を求める方法にしました(VsとVxからVrを求めることもできますが...)。
観測した交流信号(ここでは10MHz)のVsとVxの間には位相差が生じます。リアクタンスが誘導性の場合、Vxは位相進みとなります。
どれだけ位相が進むかでリアクタンス値を計算することができます。
欲しいインダクタンス値は180nHです。180nHの10MHzでのリアクタンス値:Xlは11.3Ωになります。
 Xl = 2πfL= 2x3.14x10x10^6x180x10^(-9) = 11.3 (Ω)
抵抗に11Ωを使用すると、VsとVxの位相角はほぼ45°となります。45°付近が素子値の変化に対する位相の変化が大きく、素子値を追い込みやすいためです。
要求する位相角:θは、
  θ = tan-1(R/X) = tan-1(11/11.3) = 44.2 (°)
となります。
ここでtan-1は、アークタンジェントの事です。
位相進み時間:Δtは、10MHzの一周期時間:100nsが360°に相当するので、
  Δt = 100(ns) x 44.2/360 = 12.3 (ns)
となり、VxがVsに対して12.3ns進んだ波形が観測できれば、リアクタンス値が11.3Ωとなり、180nHのインダクタンスが得られたことになります。
測定の様子です。
2021_09_19_IMG_9161.JPG
180nH_phase2.jpg
空芯コイルの粗密を調整し、希望のインダクタンス値を得られます。

-コンデンサの場合-
リアクタンスが容量性の場合、Vxの位相は遅れます。
同じ条件で、リアクタンスに1200pFのコンデンサとしたときの様子です。
1200pF.jpg
この時の遅れ位相:θは、
  θ = tan-1(R/X) = tan-1(11/-13.3) = -39.6 (°)
となります。
位相遅れ時間:Δtは、
  Δt = 100(ns) x -39.6/360 = -11.0 (ns)
となります。

1200pFのセラミックコンデンサをリアクタンスとして接続し、観測した時の様子です。
1200pF_Phase.jpg
-11.0nsに対して観測値は-11.5nsとなっています。
セラミックコンデンサの1000pF以上では±10%の誤差がありますので良い値です。

抵抗、リアクタンスは純粋なものとし、端子間容量、直並列抵抗等の要素は無視しています。
数十MHz程度で使用する分には十分かと思います。

2021年9月16日

DDS(Direct Digital Synthesizer)をケース収納

周波数カウンターを製作し、以前に真空管受信機の調整に使用していたDDS(Direct Digital Synthesizer)方式の信号発生器があったのを思い出し、引っ張り出してきました。
15年以上前に、ウエーブ電子というところでキット販売されていたWH-002A-1というDDSで、バラック状態で使用していました。

今回これをケースに収納し、動作チェックを行いました。

WH-002A.JPG
DDSの心臓部には、アナログデバイゼスのAD9851を使用しています。

AD9851.JPG
このデバイスは、内部に基準クロックを6逓倍する機能があり、外部クロックに30MHzを使用するとサンプリングレートが180MHzとなり、ナイキスト周波数以下(<90MHz)の正弦波を発生することができます。
本ユニットでは1Hzから50MHzまで、1Hzの分解能で出力できます。

1.ケース加工と実装

ケースは周波数カウンターに使用した、タカチのSY-150Gを使用します。
パネルのレイアウトを作図し、ラベルシールに印刷したものをパネルに張り付け、穴あけ加工しました。

パネル穴あけ.jpg
穴あけ加工が終わり、フィルムラベルシールにレタリング印刷しパネル部品を実装しました。

フロントパネル.jpg
ケース内部にDDS基板を実装し、内部配線を行いました。

内部.jpg
フロント実装.JPG
リアパネル実装.JPG
下が前回紹介した周波数カウンターで、上が今回ケースに収納したDDSユニットです。

DDS_COUNTER.jpg

2.調整

前回紹介した周波数カウンターを利用し、DDSユニットの基準発振器(TCXO、30MHz)を調整しました。
DDSの出力周波数を、10.000,000MHzに設定しカウンターの読みが10.000,000MHzに近くなるようにTCXOを調整しました。

TCXO_Adj.jpg

3.特性

■波形観測
出力周波数を、1、10、25、50MHzとしたときの出力波形です。

Wave_Form.jpg
D/A出力にアンチエイリアシングフィルタを挿入していませんので、このような波形になってしまいます。
50MHz<カットオフ周波数<90MHzとなるLPFを挿入すると、きれいな正弦波となりますので心配していません。

周波数が高くなると振幅が低下しているのが気になります。50MHzでは約3dB低下しています。

■スペクトラム観測
25MHzの出力信号を200kHzスパンで観察した近傍スプリアスの様子です。

200kHz_span.jpg
48kHz間隔で微弱なスプリアスが観測されます。DDSでは48kHzの信号を使用していないと思いますので、制御に使用しているPICマイコンからの制御信号タイミングまたは7セグ制御信号ではないかと想像しています。

位相雑音が通常の発振器に比べ妙に少ない、と言うか無いに等しいので、100kHzスパン、RBWを10Hzで観測してみました。

10kHz_offset.jpg
10kHzオフセットで-102dBc/Hzとなっており、スペアナの雑音を観測しているようです。DDSなので発振器と違い、側帯波雑音は発生しないようですね。

DC~2GHzのスプリアスを観測しました。

10MHz_sprious.jpg
50MHz_sprious.jpg
2GHzまでスプリアスが満載ですが、これがDDSというか、デジタル信号処理の特長です。
出力にアンチエイリアシングフィルタが入っていませんので、デバイス(D/A)の能力(正確には、D/Aコンバータ出力のsin(x)/xロールオフ特性により決定される)までエイリアスが現れます。
エイリアスの様子です。

Nyquist.JPG
この特徴を生かし、BPFを用意することで高い周波数の信号発生器として利用することも可能です。

4.その他

本ユニットは出力インピーダンスが50Ωとなっていません。100とか200Ωになっているようです。
これを50Ωに変更し、各種フィルターを準備しようかと思っています。

2021年9月13日

8GHz 8桁周波数カウンタの製作

スペクトラムアナライザ(8592A)用トラッキングジェネレータを製作すべく準備をしていますが、ついでに信号発生器を組み込もうと考えています。
そこで正確な基準発振器もしくはその発振器で校正された正確な周波数カウンターが必要になりますが、所有していません。
今回は、後者の周波数カウンターを製作することにしました。

1.構成

目標を次のように決めました。
・最大測定周波数 : >8GHz
・測定桁数 : 8桁
・計測誤差 : 1PPS信号で校正できる(100MHz未満の周波数)

目標値は事前に決めたというより、秋月電子通商で手に入る商品で構成できる周波数カウンターの構成を考えたら、上記目標値となりました。

ブロック図.jpg

■基本周波数カウンター部
秋月電子通商の8桁周波数カウンターキット、AE-FCOUNT3を使用します。
この周波数カウンターの計測範囲は、1Hz~50MHzとなっており、GPS信号から得られる1PPS信号により、基準信号12.800,000MHz信号を発生するVCTCXOの発振周波数を制御できます。
本キットは前段に配置されるプリスケーラの分周比を、本カウンターに設定でき、周波数の直読が可能です。

AE-FCOUNT3_kit.jpg
AE-FCOUNT3_sch.jpg
参照

■20分周プリスケーラ
秋月電子通商の8桁周波数カウンターキット、AE-MC12080を使用します。
AE-MC12080.jpg
本キットに使用されているプリスケーラは、オンセミコンダクタのMC12080です。
このプリスケーラの入力周波数範囲は、0.1~1.4GHzとなっており、1/10、1/20、1/40、1/80の分周比を設定できます。
基本カウンターの最大周波数が50MHzなので、1/20分周を選択することで1GHzまで計測できることになります。
ただし最低周波数が100MHzなので、50MHzから100MHzの範囲は計測できない懸念があります。
MC12080_Range.jpg
プリスケーラは差動入力の構成となっており、本キットでは負入力をグランドレベルにし、正入力ピンをシングルエンド入力として使用しています。
ブロック図を見ていただければわかると思いますが、ここでは負入力をグランドから51Ωで浮かし、50-1000MHzの計測入力ポートとして使用します。
MC12080.jpg

■8分周プリスケーラ
1-8GHzの信号は、Hittite(Analog Devices)のHMC363S8Gで1/8分周し、後段のプリスケーラMC12080に引き渡します。
HMC363S8G_1.jpg
HMC363S8G_2.jpg
HMC363S8G_3.jpg
参照

本デバイスはプリスケーラ単体での販売ですので、FR-4基板にカッターでパターンを作成し、実装しています。

■その他
ケースはタカチのSY-150Gを秋月電子通商で購入しました。
このケースはシールド構造ではありませんが、フロント、リアパネルが平板のアルミとなっており、ケース加工が楽です。

信号入力コネクタは、1Hz-50MHz(BNC)を除いてSMAとしています。
1PPS信号にSMAを使用したのは、手元に沢山あり小型であることが理由です。手持ちのGPSモジュールの出力にもSMAを使用しており、接続が楽であることももうひとつの理由です。

ACアダプタは、AD-B90P130(秋月)を使用します。9V、1.3Aと十分で、580円と安価でした。

2. 製作

■キット、基板製作
キットといっても表面実装部品はすべて実装済みなので、リード部品をいくつか実装するだけで簡単に出来上がります。

プリスケーラ基板は付属のSMAコネクタは使用せず、テフロン同軸ケーブル(潤工社 ジュンフロン 高周波同軸ケーブル DFS020)で直接接続しました。

8GHzプリスケーラ用基板はFR-4生基板にカッターでパターンを作成し、1608サイズのチップ抵抗、コンデンサを実装しています。

■パネル加工
パネルは、ラベルシール(A4判)に穴あけ加工図を印刷し、パネルに張り付けて加工しました。
加工図は、Visioを使用し寸法入力して作図しました。
パネル穴あけ.jpg

■パネルレタリング
パネルのデザイン(レタリング)もVisioで作成しました。
作図したデザインは、フィルムラベルシール(ツヤ消し・シルバー)にインクジェットプリンターで印刷しました。
パネルレタリング.jpg
穴あけ加工の終わったパネルに、印刷したフィルムを張り付けて、穴の開いている部分をカッター等で切り抜いていきます。
パネルレタリング2.jpg
加工が終わり、コネクタ、スイッチ類を取り付けた状態です。
パネル完成.jpg

■基板実装、配線
ケース(プラスチック製)に基板取り付け用の穴をあけ、基板を実装し配線を行います。 実装、配線後の内部の様子です。
完成inside.jpg
Prescaler.jpg

3. 調整
GPSモジュールからの1PPS信号(正確な1Hz繰返しパルス)をカウンターのGPSポートに接続し、内蔵のVCTCXO(電圧制御型温度制御水晶発振器)の発振周波数を電圧制御で調整します。
このカウンターにはこのモードが設定されており、12.800,000MHzに調整します。 このTCXOは±3ppmの物で、12.8MHzに対して38.4Hzの誤差がありますが、1Hzの誤差まで追い込むことができます。(調整した瞬間は....)
Adj_1PPS.jpg
TCXOと言えども温度には敏感なので、蓋をした状態で調整できるように穴をあけています。

4. テスト

■1Hz-50MHzレンジ
スペクトラムアナライザに設置されているキャリブレーション用信号を測定してみました。
HF_25MHz.JPG
カウンターの値が正しければ、100Hz程度ずれていますね。

■50-1000MHzレンジ
このレンジの不安は、50-100MHzがプリスケーラの不感レンジで動作に不安があります。
残念ながら手元にこの周波数範囲の正弦波を出力する発振器がなく、試験ができませんでした。
矩形波ですとプリスケーラの感度が高い3倍高調波を計測してしまいます。
上限周波数の1GHzで試験をしてみました。
Middle_1GHz.JPG

■1-8GHzレンジ
このレンジでは1/160分周していますので、最小分解能は160Hzになります。
1GHzの信号を測定した状態です。
信号源周波数が正確だとすると、カウンターのTCXOが2Hzずれていることになります。
High_1GHz.JPG
4.0GHzの信号を測定した状態です。
信号源側のTCXOの周波数を調整した時のものです。
check_4GHz.jpg
HMC363S8Gのスペックでは最小入力周波数が200MHzとなっているので、500MHzでの試験をしてみました。
High_500MHz.JPG
ただしこのレンジでの最小分解能は160Hzとなりますので、低い周波数での測定は不向きです。

5. その他

二段目のプリスケーラの最低周波数に不満があります。
適切なプリスケーラを探して、入れ替えたいと考えています。

2021年7月20日

8592AのTG化 -バラック実験-

トラッキングジェネレータを構成する各ブロックの実験が終わったので、すべてをバラックで組み、実験をしました。
Barrack_test_1a.jpg
IFアンプを挿入し、TG出力レベルが上がりました。
Barrack_test_2.jpg
しかし、2800MHz付近でディップが発生しています。
IFアンプの入力段を手で触ってみると、ディップの状態が変化します。
ミキサのIFポートとIFアンプの入力段の間で何か起きているようです。
DBM(パッシブ)を初めて知った40年前には、OMから『DBMは各ポートのSWRが高く、リターンロス改善のためのパッド(ATT)を入れなさい』と教えられていました。
Barrack_test_1.jpg
3dBのアッテネータをミキサとIFアンプの間に挿入すると、ディップが改善されました。
Barrack_test_3.jpg
DBMのIFポートとIFアンプの入力段の間で、定在波が立っていたようです。

Barrack_test_4.jpg
TG出力を8592AのRF入力に接続し、スペアナのノーマライズを行った後にTG出力をオフにした時のノイズレベルです。
Aバンドフルスパン(Res BW:300kHz)時に40~60dBのダイナミックレンジが得られています。
8592Aの最小Res BWは1kHzなので、65~85dBのダイナミックレンジが得られます。

ここまでの実験で、8592A用のトラッキングジェネレータが構成できることがわかりました。
これまでの基本構成に加え、いろいろな機能を追加しようと考えています。
その構成を考えてプリント基板を作成し、制御用プログラムを作り......、完成までだいぶ時間がかかります。
何か進展があったらまた報告します。

2021年7月19日

8592AのTG化 -IFアンプの実験-

トラッキングジェネレータの出力用増幅部です。
周波数範囲は、8592AのAバンド、0-2.9GHzです。
必要な利得は、後から周波数-振幅特性を補正することを考えると、15~20dBは欲しいところです。
使用したのは、ミニサーキットのGALI-S66+です。
Data_sheet1.jpg
Data_sheet2.jpg
実験用のプリント基板を手づくりしました。
GALI-S66+_1.jpg GALI-S66+_2.jpg
GALI-S66+は+9Vでドライブしますが、ローカル信号用アンプ、YSF382+を駆動するための+5Vのレギュレーターも搭載しました。

作成したIFアンプの周波数 vs 利得特性を測定しました。
F_vs_Gain.jpg
ミキサのIFポートの高域減衰に、本アンプの高域減衰が加味されるので、補正回路が必要になりそうです。

2021年7月18日

8592AのTG化 -トラッキングジェネレータの実験-

ローカル信号とミキサがバラックですが、TG動作するかテストしてみました。
TG_test1.jpg
TG出力(DBMのIF出力)を直接8592AのRF入力に接続した状態です。
TG_test2.jpg
Aバンド(0~2.9GHz)のフルスパンの状態です。
ADF4350の出力周波数を調整し、TGレベルが最大になるように調整します。
Res BWを狭帯域に設定した場合は、細かな周波数調整が必要になります。
IFアンプを挿入していませんので、TG出力は-30~-10dBmとなっています。

スペアナのノーマライズ機能を利用した状態です。
TG_test3.jpg
ノーマライズ設定を-10dBmにした状態です。
この状態でスペアナのRF入力をオープンにした時のノイズレベル(スペアナの内部雑音)です。
TG_test4.jpg IFアンプの無い状態でのノーマライズですので、ノイズレベルが上がり、ダイナミックレンジが30~50dBしか得られていません。
TG_test5.jpg
手元にあったフィルタを観測してみました。(ひどい特性!)

IFアンプを作ってから再度確認します。

2021年7月17日

8592AのTG化 -パッシブミキサの実験-

パッシブミキサ(DBM)の実験を行いました。
DBMの各入出力信号は以下の通りです。
・ローカル信号 : 3.62GHz近辺
・RF信号    : 3.6~6.5GHz(8592Aの1st Local信号
・IF信号    : 0~2.9GHz(TG出力信号)

ミニサーキットのMCA1-60+を使用します。
MSA-60+_Data.jpg
IFポートの周波数範囲が、DC-2000MHzとなっているのが若干気になります。

生PCBにパターンをカットして基板を作りました。
MSA1-60+_1.jpg MSA1-60+_2.jpg
RF信号に8592Aの1st Local出力を接続し、LoポートにはADF4350から3620MHz、+6dBmの信号を入力しました。
8592Aの1st Local出力信号周波数を変化させて、IFポートの振幅を測定しました。
MSA-60+_Gain.jpg
IFポート出力が、RFポート周波数が高くなるにつれて低下していきます。
これはIFポートの周波数が高くなるにつれて、変換損失が増大するためと思われます。
MSA-60+_IF.jpg

2021年7月16日

8592AのTG化 -ローカルアンプの実験-

パッシブミキサ(DBM)を駆動するための、ローカル信号増幅器です。
前回、PLLシンセサイザ:ADF-4350の出力を観測しましたが、3620MHzでの出力レベルは最大で+6dBm程度でした。
DBMを駆動するのには7~10dBm程度は必要で、DBMのリターンロス改善用パッドを挿入することを考えると、10~13dBmは欲しくなります。

今回使用するデバイスは、ミニサーキットのYSF-382+です。
YSF-382+_1.jpg
YSF-382+_2.jpg
周波数範囲、Gain、P1dB等、要求仕様を満足しています。

PCBをカッターで加工して、実験用基板を作りました。
YSF-382+_3.jpg
YSF-382+_4.jpg
実装が終わり特性を測定しようとしたら、異常発振が観測されました。
このデバイスは裏面にGNDのパッドがあり、この部分が不完全な半田付け状態だったのが原因でした。
YSF-382+_GND.jpg
GNDパッドと接触する基板部分と、デバイスのGNDパッド部分に薄く半田揚あげをして、基板のGND部分をはんだごてで熱して接続します。
YSF-382+_Gain.jpg
周波数に対する利得がだいぶばらついていますが、単一周波数での使用なので気にしません。3620MHz近辺での利得は+11dBとなっています。
YSF-382+_in_out.jpg
出力が+15dBm以上でも飽和していませんので、DBMの駆動に十分使えます。

2021年7月15日

8592AのTG化 -ローカル発振器に使用するADF4350評価基板-

8592A用のトラッキングジェネレータを構成するうえで必要なローカル発振器には、アナログデバイゼスのADF4350の評価基板、EVAL-ADF4350を利用することにしました。
あくまで実験用なので、これをTGの動作チェックに使用します。
EVAL-ADF4350.jpg
PCとUSB接続し制御用ソフトで周波数、周波数ステップ、出力レベル等を設定できます。
電源はUSB5Vから供給できます。
ADF-4350_CTRL.jpg
本デバイスは、137.5MHz~4400MHzの範囲で出力を得られる、VCO内蔵のフラクショナル型PLLを構成しています。
VCOの基本発振周波数は、2200~4400MHzで、それ以下の周波数は2/4/8/および16分周出力となります。
また、差動出力となっていて使用しない出力ポートは50Ω終端して使用しました。
終端しなくても出力レベルに影響はありませんが、アンバランスとなり不要輻射が増加する懸念があります。

今回は3620MHz近辺で使用しますが、Bバンド(2.77-6.17GHz)用のTG化を視野に入れており、他の周波数の出力レベルも測定しました。
ちなみにB-Eバンドの1st IFは320MHz近辺でした。
Freq_vs_Output_2.jpg
評価ボードの出力設定を+5dBmに設定した時の周波数に対する出力レベルの特性です。
出力レベルは、-4、-1、+2、+5dBmの4段階で設定できます。
3620MHzでは+6dBmの出力が得られています。
1GHz以下の周波数で出力レベルが低下しているのは、ADF4350の出力段のマッチング回路定数が高い周波数で最適化されてるためで、320MHzで使用するにはVVCOとRF OUT端子間のインダクタ値を変更する必要がありそうです。
Aバンド用にはこのままで、Loアンプを挿入してDBMに供給できそうです。

2021年7月14日

8592AのTG化 -実験用構成の決定-

8592AのAバンド(0-2.9GHz)用のトラッキングジェネレータの構成を考えました。
バラックで組んで確認する、実験用構成です。

TGテスト構成.jpg
ローカルオシレータ
アナログデバイゼスのPLLシンセサイザIC:ADF4350の評価ボード(EVAL-ADF4350)が手元にありましたので、これで3.62GHzを生成します。 PCとUSB接続で、周波数、出力等様々な設定が可能です。

ローカルアンプ
パッシブミキサ(DBM)を駆動できるように、ローカル信号を増幅します。
使用デバイスは、ミニサーキットのYSF-382+です。
 周波数範囲 : 3.3~3.8GHz
 Gain    : 14.5dB(typ) at 3.6GHz
 P1dB    : 20dBm(typ) at 3.6GHz

ミキサ
ミニサーキットのダブルバランスドミキサ、MCA1-60+です。
 Lo/RF   : 1600~6000MHz (8000MHzまで使用可)
 IF     : DC~2000MHz
 変換損失  : 6dB前後
 Lo入力   : 7dBm
IF帯域が2GHzまでとなっているので、2GHz以上の帯域で変換損失が大きくなることが予想される。

IFアンプ
ミニサーキットのGALI-S66+を使用。
 周波数範囲 : DC~3GHz
 利得    : 16.4dB(typ) at 3GHz
 P1dB    : 3.3dBm(typ) at 2GHz

Equalizer
DBMのIF帯域が2.9GHzまで伸びていないので、振幅補正(等化)が必要となった場合に挿入する。
スペアナでの補正も可能なので、不要かもしれない。

実験用構成を決定後、ミニサーキットにデバイスを発注しました。

2021年7月13日

8592AのTG化 -1st Local/1st IF 周波数調査-

HPのスペアナ、8592Aに外付けのトラッキングジェネレータを構成するうえで、フロントパネルに出力されている1st Localの周波数を測定し、スペアナ内部の1st IF周波数を調べる必要があります。

8592Aの諸元を調べると、測定範囲の50kHz~24.05GHzは5つのバンドに分かれています。
便宜上5つのバンドをAからEバンドとします。
・A : 0-2.9GHz
・B : 2.77-6.17GHz
・C : 6.0-12.8GHz
・D : 12.4-19.4GHz
・E : 17.05-24.05GHz
となっています。
1st Local 周波数範囲は、3.0-6.6GHzとなっています。

スペアナの構成がわかれば、トラッキングジェネレータの構成を決定できます。
スペアナの入力段の概略構成は下図のようになっています。

スペアナ構成.jpg

RF入力された信号は、1stローカル信号と混合され、1st IF周波数に変換されます。
8592Aでは、アッパーローカル周波数(fLO)となっています。
したがって、1st IF周波数:fIFは、
  fIF = fLo - fRF
となります。
トラッキングジェネレータは、掃引されるスペアナの測定周波数と同じ周波数の信号を出力する必要があります。
測定周波数(RF)に対する1stローカル周波数(fIF)がわかれば、1st IF周波数(fIF)を算定できます。

トラッキングジェネレータの概略構成を下図に示します。
TG構成.jpg
スペアナのIF周波数と等しい周波数のローカル信号と、スペアナから供給される1stローカル信号を混合することによって、スペアナの測定周波数(fRF)と等しいTG出力信号を得ることができます。

892AのAバンドの測定周波数と1stローカル周波数の関係を測定してみました。
測定方法は、8592Aのセンター周波数を被測定周波数とし、ゼロスパンとすることで1st rローカル周波数を固定し、別のスペアナ(R3265A)で1stローカル信号を観測しました。
測定結果を下図に示します。
1st_Local_Band_A.jpg
測定結果から、1st IF周波数は3.62GHz近辺であることがわかりました。
ここで正確な周波数は必要ではありません。スペアナの2nd/3rdローカル信号のドリフトがありますので、後ほど細かい周波数調整が必要になります。
スペアナの基準信号(10MHz)を使用し、同期したローカル信号を生成する必要があるかもしれません。

同図にローカル信号振幅も併せて示していますが、帯域内で振幅が最大6dB変動していることがわかります。
これはそのままTG出力変動として現れます。これは補正する方法があるのでここでは気にしません。

他のバンド(B-E)も併せて調査しました。
B-Eバンドの1st IF周波数はすべて320MHz近辺でした。
Cバンドでは1stローカル信号を2逓倍、Dバンドでは3逓倍、Eバンドでは4逓倍されている様子でした。

次回はトラッキングジェネレータの構成(実験用)について考えてみます。

2021年7月12日

久しぶりのブログ再開

10年以上ブログの更新をしていませんでした。

古い真空管受信機のレストアもほとんどやっていませんでした。

最近何気なくYahooオークションを眺めていて、スペクトラムアナライザを落札してしまいました。
8592A_1.jpg
30年以上前によく目にしていた、HPの8590Aシリーズのスペクトラムアナライザで、測定周波数範囲が50kHz~22GHzである『8592A』です。
8592A_2.jpg
オークションでは動作保証のない現状品でしたので、動作確認を行いました。

8592A_3.jpg RF入力の左に、CAL出力(299.9MHz -20dBm)、100MHz COMB OUT、1st LO OUTPUTが出力されています。
今回はコムジェネレータ出力で測定範囲である22GHzまで表示できるのか確認しました。
8592A_4.jpg 8592A_5.jpg
左の画像は、10~11GHzの帯域でのコムジェネレータ出力、右の画像は、21~22GHz帯域でのコムジェネレータ出力を確認したものです。
20GHz帯でレベルが低下しているのは、コムジェネレータの出力が低下しているものと思われます。

一つ問題点がありました。
内蔵アッテネータの20dBと30dBに動作不良がありました。アッテネータは内部でメカニカルに切り替えているようですが、接点不良があるような状況です。
このレンジ(ATT)は使用しないようにします。

1st LO出力がフロントパネルにあるのを見て、ある野望が浮かんできました。
『トラッキングジェネレータ(TG)が作れそう!!』というものです。

TG化のための予備実験を含め、順次紹介していきます。

2009年8月28日

春日無線(TRIO)、9R-42 通信型受信機 Restore3

先日ノグチトランスに注文したAFトランスが本日届きました。
明日は週末なので、トランスとスピーカー端子の装着を行い、動作チェックを行う予定です。
本日は、内部清掃と真空管チェックを行いました。
9R-42_First_Insode3_RS.jpg
各種トランス、真空管を洗いました。

そして装着されている真空管の性能チェックを行いました。
使った真空管テスターは、TE-15です。

9R-42_tube_check.jpg
オリジナルと二点違っていました。
1.AFアンプの球がオリジナルの6V6から6F6に変更されていました。
 若干エミ減気味
2.検波の球が、6SQ7からMT管の6AV6に変更されていました。

他の球はオリジナルで、エミ減が確認できませんでした。

明日から本格的なレストア開始です。

2009年4月11日

春日無線(TRIO) MARKER GENERATOR SG-3

春日無線工業時代に、TRIOブランドで販売していた計測器、『マーカー発振器』 SG-3です。
現在で言う、信号発生器ですね。

1960年代前半に販売されていたものと思います。
今回紹介するマニュアルは、後期モデルだと思います。
初期型では搭載されていない、ビート確認用のスピーカーが内蔵されています。

SG-3_600.jpg

SG-3_2_600.jpg

基本波、二次高調波でカバーする周波数範囲は、3.75-280Mcです。
また、400c/sのAM変調を掛けることができます。

中には、スイープジェネレータ:WO-1とオシロスコープ:CO-3Kと併せた、TV受信機の映像IF回路調整法が記載されています。

こちらが回路図です。
SG-3_3_600.jpg

PDFファイルでアップロードしました。
SG-3マニュアル